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研究チーム

森戸 大介

非典型的ユビキチン化の機能と破綻、その人工的制御

森戸 大介

研究代表者 森戸 大介

昭和大学医学部生化学講座 講師
http://www10.showa-u.ac.jp/~biochem/Biochem/Biochem_top.html

研究概要

私たちは約10年前、ミステリンというユニークなユビキチンリガーゼをクローニングしました。ミステリンは脊索動物以上に保存され、ユビキタスな発現パターンを示します。分子量は約600 kDa(ヒトゲノムにコードされる中では21番目の大きさ)ですが、さらにp97やプロテアソームと類似のAAA+ ATPアーゼドメインを持つことにより、推定約3.5 mDaの巨大なドーナツ状複合体を形成します。機能について長らく不明でしたが、細胞内の脂肪貯蔵オルガネラ「脂肪滴」に局在して脂肪蓄積を正に制御する因子であることを最近、明らかにしました。
ミステリンはもともと脳血管疾患もやもや病の責任遺伝子として見つかりました。RING finger型ユビキチンリガーゼドメイン内の保存されたシステイン/ヒスチジンの変異により、メカニズムは不明ですが、脳底部の動脈が進行性に狭窄・閉塞し、脳虚血・脳梗塞、発病後期には脳出血を生じます。RING finger変異によりミステリンは脂肪滴から脱離し、凝集様構造を形成しますが、このようなミステリンの機能喪失と凝集形成のいずれがもやもや病の直接の引き金になるのか、またユビキタスに発現するミステリンの異常がなぜ脳底に限局された病態としてあらわれるのか、いまのところいずれも不明です。
私たちは、ミステリンのユビキチン化基質は何か、どのタイプのユビキチン鎖を付加しどのような機能制御を行うのか、また、その障害によりどのような細胞機能異常を生じるのかについて探索を進めています。研究タイトルに掲げたように、この探索を進める中で、非典型的ユビキチン化修飾の生理機能と重要性の解明、その制御につながるケモテクノロジーの開発に挑戦します。

研究概要を示す模式図

研究概要を示す模式図

代表的な論文

  1. Sugihara, M,, *Morito, D., Ainuki, S., Hirano, Y., Ogino, K., Kitamura, A., Hirata, H., and Nagata, K. (2019) The AAA+ ATPase/ubiquitin ligase mysterin stabilizes cytoplasmic lipid droplets. J. Cell Biol. 218, 949-960.
  2. *森戸大介, ミステリン―もやもや病の責任遺伝子産物 (2018) 医学のあゆみ第5土曜特集, 蛋白質代謝医学, vol.267, no.13, p.1105-1110
  3. Kotani, Y., *Morito, D., Sakata, K., Ainuki, S., Sugihara, M., Hatta, T., Iemura, SI., Takashima, S., Natsume, T., and Nagata, K. (2017) Alternative exon skipping biases substrate preference of the deubiquitylase USP15 for mysterin/RNF213, the moyamoya disease susceptibility factor. Sci. Rep. 7, 44293.
  4. Kotani, Y., *Morito, D., Yamazaki, S., Ogino, K., Kawakami, K., Takashima, S., *Hirata, H., and *Nagata, K. (2015) Neuromuscular regulation in zebrafish by a large AAA+ ATPase/ubiquitin ligase, mysterin/RNF213. Sci. Rep. 5, 16161.
  5. Morito, D., Nishikawa, K., Hoseki, J., Kitamura, A., Kotani, Y., Kiso, K., Kinjo, M., Fujiyoshi, Y., and Nagata, K. (2014) Moyamoya disease-associated protein mysterin/RNF213 is a novel AAA+ ATPase, which dynamically changes its oligomeric state. Sci. Rep. 4, 4442.