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代表挨拶

代表挨拶

Greeting

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平成30年度より、新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」(略称:ケモユビキチン)が発足しました。現在、「ユビキチン=タンパク質分解の指標」から「ユビキチン=タンパク質の機能変換のための素子」へとパラダイムシフトが起きており、ユビキチンは生命科学研究全般に大きく拡大しております。さらに近年、ユビキチン関連分子の変異が、がんや免疫疾患、神経変性疾患だけではなく、自閉症などの発達障害からも次々と同定されており、ユビキチン研究のニーズがさらに高まっております。しかし、個々のユビキチン依存的経路を解析する手法や研究ツールは十分とは言い難く、今後のユビキチン研究の拡大を考慮すると、まさに今、ユビキチンに特化した解析拠点の整備が必要と考えられます。

本研究領域では、前新学術領域研究「ユビキチンネオバイロジー」で開発されたユビキチン解析ツールやプロテオミクス解析法に加え、様々な化学技術(ケモテクノロジー)を大胆に取り入れた次世代型ユビキチン研究を推進します。そのために、計画研究班には第一線のユビキチン研究者とケミカルバイオロジーや機能性ペプチド開発に造詣の深い有機化学者がユビキチンをキーワードとして集結しました。本領域の立ち上げにあたり10回以上もの討議を重ねてきましたが、その度に視点が異なる数多くの斬新なアイディアが生まれ、さらには低分子化合物や機能性ペプチド、化学合成タンパク質など様々な有機化学的手法の全てがユビキチン研究に有用であると確信しました。ケモテクノロジーによる新機軸のユビキチン解析ツールの開発は、個々のバイオロジーを駆動するユビキチンコードの動作原理の解明、ユビキチンが関与する新しいバイオロジーの発見、ユビキチン関連疾患の発症機構の理解に大きく貢献し、将来的には「ユビキチン創薬」への応用展開が期待されます。

また本研究領域では、アカデミアで世界初のユビキチン・ケモテクノロジー拠点の形成を目指しています。現在、ケミカルバイオロジーとユビキチン研究の融合研究は世界的な潮流となっておりますが、日本の新学術領域のような大規模なグループ研究は稀であり、本領域のようにユビキチンの基礎研究に特化した研究グループは存在しません。「ユビキチンバイオロジーを化学的手法で解き明かし制御する」ことを目標とする本領域は、世界の流れを先取りし、さらには世界をリードすることが十分に可能です。

日本のユビキチン研究をさらに大きく発展させ、さらに将来的にも持続可能な領域とするために、是非、多くの先生方、特に若手研究者に参加して頂きたいと思います。どうか宜しくお願い申し上げます。

平成30年8月17日

領域代表
公益財団法人東京都医学総合研究所
佐伯 泰