PubMedID 27050259 Journal Acta Crystallogr F Struct Biol Commun, 2016 Apr 1;72(Pt 4);269-75,
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Title Crystal structure of the substrate-recognition domain of the Shigella E3 ligase IpaH9.8.
Author Takagi K, Kim M, Sasakawa C, Mizushima T
京都大学   白眉センター    KIM Minsoo     2016/05/06

   
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1 兵庫県立大学大学院生命理学研究科  構造細胞生理学研究部門  高木賢治 IpaH9.8の基質認識機構解明 2016/05/06
NEMOを基質としてE3活性を持つ赤痢菌エフェクタータンパク質IpaH9.8の基質認識ドメインの構造決定をしましたので、その論文を紹介いたします。

赤痢菌は粘膜上皮内を介して感染・定着し炎症性下痢を引き起こす病原体で、感染に際してエフェクターと呼ばれる約30種類のタンパク質を宿主細胞に分泌します。これらは宿主内タンパク質を標的として働き、免疫応答や細胞接着など宿主の防御機構を妨げ感染を拡大します。
IpaHファミリーは赤痢菌や病原性大腸菌に保存されたエフェクターで、N末側の基質認識領域(leucine-rich repeat: LRR)とC末側のユビキチンリガーゼ活性ドメインからなります。赤痢菌IpaHファミリーに属するIpaH9.8は、NEMOをユビキチン化しプロテアソーム分解へと導くことで、宿主の炎症反応を抑制し感染持続に寄与しますが、その基質認識機構は解明されていません。

本研究では、IpaH9.8による宿主の免疫反応抑制機構の理解を目指し、IpaH9.8 LRRのX線結晶構造解析を行いました。IpaH9.8 LRRの構造は立体構造既知であるIpaH3 LRRの構造をもとに分子置換法により決定し、解析しました。IpaH9.8LRRは分子表面に塩基性残基が多く、これらはIpaHファミリー中で保存性が低く基質認識に関与すると考えられます。一方、IpaH9.8に認識されるNEMOの部分構造についても結晶構造解析を進めておりますが、現段階では電子密度が不明瞭であり構造決定に至っておりません。NEMOの一次配列上には酸性残基のクラスターがありこの部分がIpaH9.8による認識に関与していると考えられますが、今後さらなる解析が必要です。
      
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