PubMedID 26578638 Journal Eur J Endocrinol, 2015 Nov 17; [Epub ahead of print]
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Title The USP8 mutational status may predict drug susceptibility in corticotroph adenomas of Cushing's disease.
Author Hayashi K, Inoshita N, ..., Takeshita A, Yamada S
東京工業大学・大学院生命理工学研究科  駒田研究室    駒田 雅之     2015/11/23

わが国のCushing病におけるUSP8変異
虎の門病院の竹下章先生(内分泌代謝科)、山田正三先生(間脳下垂体外科)、竹内靖博先生(病理部)らとの共同研究について、ご紹介させていただきます。

Cushing病は、脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生細胞の腺腫からACTHが過剰分泌され、それが副腎皮質からのコルチゾールの過剰分泌をきたすことで、満月様顔貌・中心性肥満・糖尿病・高血圧などの様々な症状をひき起こす疾患です。これまでその発症の分子機構は不明であり、それがCushing病の有効な治療薬の開発を阻む理由の1つとなっていました。

私どもは最近、海外のグループとの学際的共同研究により、ドイツ・イギリス・フランス・ハンガリー・セルビア・アメリカ・ブラジルのCushing病患者、計151人中54人(36%)において脱ユビキチン化酵素USP8のホットスポット変異(体細胞へテロ変異)がUSP8の過剰活性化をきたして下垂体腺腫の原因となることを見出しました(Nat. Genet. 2015; J. Clin. Endocrinol. Metab. 2015)。

Cushing病は厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されており、わが国においてもUSP8変異がCushing病をひき起こしているのかを早急に調べる必要がありました。今回私どもは、虎の門病院で摘出された日本人Cushing病患者60人の下垂体腺腫の遺伝子解析を行い、21人(35%)において同様のUSP8ホットスポット変異を見出しました。この結果は、わが国においてもUSP8とそのpathwayが今後Cushing病治療における新たな分子標的となり得ることを提示するものです。
   
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